「うーん。ちょっとこれは…、マズイですね〜。」
いつも明るく前向きな耳鼻科の先生が、診察後今までに見たことのない神妙な面持ちで私を見ている。
「喉の突き当たり部分だけが真っ赤で、周りの扁桃腺が全く腫れてないんですよね〜…。」
「要するに、普通の風邪と違う可能性がかなり高いんですけど、PCR検査…やってみます?」
●症状の始まり
3月1日に歯医者へ行った後、夕方から喉の痛みがありました。
ワクチンはもう2回打ってるし、ちょうど花粉シーズンの始まりだったので花粉が原因か、歯医者のときのフッ素液が喉に流れてきたのが原因だと思っていました。
ですが、翌日の昼頃から熱も出始めて、夜には38.4まで上昇。
布団から出ると寒気がして体がブルブル震え、激しい運動をした後のような疲労感も全身に感じました。
その日は頭痛もあったのでロキソニンを飲んで就寝。
普段は微熱すら出ることがほとんどないので、嫌な予感はしていました。
●いつもと違う症状と違和感
通常の喉風邪だったら痰は硬めで緑色っぽいのですが、今回はずっと緩めで白や薄い黄色でした。
かなり喉が痛いのに様子が違う。
翌日も発熱が続いたため、いつもの耳鼻科へ電話し、夕方の発熱外来の時間帯に向かいました。
ふらふらしながらゆっくり歩いて20分程で到着。熱は38.7まで上昇。受付が始まるまで外のドアに寄り掛かりながら待ちました。
自分では全く自覚が無かったのですが、診察中先生に肩で息をしてて辛そうだと言われました。
しっかりやっているつもりでも体は無理をしていたのかもしれません。
●初のPCR検査
喉の診察の後、先生の勧めもあってその場ですぐ検査をしました。
お会計は前払いで3500円。(差額などは後日返金するとのこと)
鼻の奥を長い綿棒で擦り取る。
鼻は炎症や鼻水が無かったので、すんなり痛みも無く終了。
コロナ関連の資料と簡単な説明を受け、結果が出る前に通常外来が始まるため、耳鼻科を出ました。
寒い外のコンビニの片隅で結果の電話連絡待ち。20分くらい待った頃に電話が来ました。
「結果は、陽性です。」
覚悟していましたがショックでした。
その場から暫く動けず、先生の話を淡々と聞くのみ。
ちゃんと治るのだろうか
何故こうなってしまったのか
防ぐことはできなかったのか
周りに迷惑をかけるのではないか
ショック・不安・焦り・申し訳ない気持ちばかりが一気に募り、なかなか言葉が出てきませんでした。
●陽性者としての第一歩
「処方箋はこちらに取りに来ないで、そのまま帰宅して下さい。」
「FAXで薬局に処方箋を送っておくので、後で電話が来ると思います。」
陽性者なので突き放されるような感じを受けましたが、そうではなく、私は一瞬戸惑いました。
「○○薬局の○○です。お薬ができたので、今から向かいます。」
その後到着の連絡を再びいただき、薬局の薬剤師さんがポストに薬を入れて下さいました。
今まで何度も薬局を利用してきましたが、こんなことは初めてです。
コロナ患者対応マニュアルが既にできているためなのだとは思いますが、心が折れ体が辛い私にとっては大変有り難く、嬉しかったです。
●陽性者としての第二歩
コロナ陽性者になった私が受けた支援は、それだけではありませんでした。
住んでいる自治体が食料品の配布やパルスオキシメーターの貸し出しを行なっていることを知り、すぐに申し込みをしてもらいました。
親戚からも励ましの声と沢山の支援が届き、玄関がいっぱいになりました。
できなくなった家事も、他の人が来て代わりにやってくれて、ゆっくり休むことができました。
●症状の回復
熱は診断を受けたときが最も高く、その後は解熱剤無しで下がっていきました。
翌日の4日目の夜には平熱まで戻り、倦怠感も無し。
喉だけはかなり痛い状態が続いたのですが、5日目と6日目で急速に回復しました。
通常は痛み → 痰 → 咳 の流れでゆっくり治るのに、痰と咳が辛くならずに痛みが急に消えてビックリ。
普通の風邪とは違うのだなと、改めて感じました。
●症状と処方された薬の詳細
コロナになったとは言っても、人によって症状はかなり違うようです。
私の場合は、喉・頭痛・発熱・寒気・倦怠感・関節痛・痰と咳でした。
耳鼻科で処方された薬は、
- セフカペンピボキシル塩酸塩錠
- トラネキサム酸錠
- ツムラ小柴胡湯加桔梗石膏
- カロナール錠
合計4種類
カロナールは熱が下がったので飲んでいません。
1番目と2番目は全て飲んだのですが、3番目の漢方薬は下痢になったため、途中でやめました。
耳鼻科から休診日以外の日は毎日健康確認の電話が来るので、そのときに薬のことも聞くことができ、安心して服用できました。
●保健所の対応とサポート
診断をされたときに耳鼻科から保健所に連絡をしたのですが、直接電話が来ることはなかったです。
その代わりに「My HER-SYS」という名前の新型コロナ健康状態入力フォームに登録するようメールが来て、毎日書き込むことになりました。
備考欄の文字数が少なく、読んでいただけている実感もあまり無かったのですが、非接触で効率良く把握するシステムとしては有効かもしれません。
●生活の工夫
家で家事をしてくれる人が感染しないように部屋を分けて距離をとる。
トイレやキッチンなど共有スペースへ行くときはマスクを付け、アルコールスプレーを持参してこまめに除菌をしました。
喉が痛いときは LINE連絡も便利。
ゴミは自分で口を縛って処理をし、衣服は人が居ないときに洗濯機へ運び、食器は捨てられるプラスチックのスプーンや割り箸をなるべく使いました。
●孤独との闘い
症状が良くなってきても、家には基本一人。
治るまでは仕方ないとわかってはいても、長期間外に出られないし、誰かの側にいることもできない。
ご飯の時間も会話が無くて寂しい。
ラジオやテレビをつけていても孤独感は消えない。
ちょっとした不安や報告も誰かにゆっくり話すことは難しく、精神的に不安定になりました。
酸素飽和度は98でも、何となく胸が詰まった感じで息苦しい。
食欲もあまり湧いてこない。
今まで経験したことが無い孤独感を払拭するために、私はドラクエ10 を再開しました。
●オンラインの世界に救われる
「相手は顔も見えない見ず知らずの人達」
でも、私にとっては無くてはならない世界。
ずっと塞がっていた気持ちが、いつも足を運んでいた場所へ向かうだけで、軽くなっていきました。
消えていく胸の圧迫感や息苦しさ。
画面の向こう側では沢山の人が私の体調の回復を待っていました。
アストルティアには他にもコロナを経験した友人がいて、意見交換もできました。
なったことがない人には大袈裟に聞こえるかもしれませんが、最悪もう戻ることは無いと思っていたので、私はそこに居られるだけで幸せです。
●周りの人の言葉に救われる
「いつ誰がなってもおかしくないんだから、落ち込む必要は全く無いよ」
とにかくショックで自分を責めて落ち込んでいたら、こんな言葉をかけられました。
「ワクチン接種してるから、悪くはならないよ。」
「回復して良かった〜!」
「何かあったらまた話してね。」
そう言ってくれる人もいました。
嫌味を言ってきたり差別をしてくるような人は誰もおらず、精神的に救われました。
●原因と再発防止を考える
症状が現れた日の2日前。
私は市民ホールのコンサートに行く用事があって外出していました。
コンサートの前後で、普段行かないファミリーレストランでランチとお茶をしたのを覚えています。
コンサートの鑑賞時間は短く、席は特に混み合っていませんでした。
レストランではドリンクバーを2回利用しています。
普段から利用する前後で消毒をしているのですが、あまり飲まないティーパックのお茶を飲んでいたので、もしかしたら紙の持ち手の部分やカップから感染していたのかもしれません。
(あくまでも予測です。)
一見新品に見えたり食洗機にかけているものでも、誰が触れているかわからないときは可能な限り自分で再除菌するしかないのかもしれません。
●これからについて
自宅療養が終わって2週間くらい経ったら、感染後にキャンセルをしていた3回目のワクチン接種に行きたいと思います。
もしもワクチンを2回接種していなかったら、今頃立てない状態になっていたかもしれないので、改めて大切だなと感じています。
普段していた筋トレも、効果が少しあったのかもしれません。
できることをまた少しずつ再開していきたいと思います。
↑ 今回コロナで体験した内容をグラフで簡単に書いてみました。
詳しい検査はしていないので、どの株かは不明です。
(喉がとにかく長期間痛かったので、個人的な予想はオミクロンかな)
今のところ後遺症はありません。
的確に対処して下さった皆さんと、サポートをして下さった皆さんに、心から感謝申し上げます。
コロナの症状は人それぞれで一概には言えないのですが、
もしも自分や周りの人が罹ってしまったときに、今回の私の体験記が少しでも参考になれば幸いです。
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