ゆで卵されどゆで卵。一概には言えないその難しさとは?

 

幼い頃からよく食べていた、つんつるてんの鶏やうずらのゆで卵。

時にはサンドイッチマンのあの人の肌のようにボコボコしていた(‥‥失礼 )こともあったっけ。

 

たかがゆで卵だと思っていました。

白い殻を剝けば大抵は綺麗にできると思っていました。

むしろ綺麗に剥けない人なんて不器用な人なんだとさえ思っていました。

 

‥そう。

ついこの間までは‥‥‥。。。。

 


※この記事は、2014.10,27 のマイブログ記事を更に更新した記事です。

 

掘り下げても掘り下げても、まだ掘れる‥。

私の茹で卵への熱が書いてもまだ冷めないので、ブログへ記事を引っ越しさせました。

「ゆで卵を作る。」 そのただ一言で済んでしまいそうなプロセスが、意外に深いのです。

周りからは、毎回納得のいく仕上がりにならなくてもいいじゃないかとも言われますが、主役や名脇役になることが多いため、その作り方一つ考えるだけで料理はもっと美味しくなります。

なので、少々マニアックな話にはなりますが、気になった人は是非時間のあるときに一読してみて下さい。

 


 

ゆで卵は簡単なようで、実は難しい

  • 作る鍋の大きさや厚さ、材質などによって茹で時間が変わる。
  • 水の量や温度によって茹で時間が変わる。
  • 室温や気圧で茹で時間が変わる。
  • 加熱方法や火加減の差によって茹で時間が変わる。
  • 卵の大小の差によって茹で時間が変わる。
  • 小さい卵ほど数十秒の時間差で、仕上がり具合が変わる。
  • 卵の鮮度によって、殻の剝きやすさが変わる。
  • ゆで卵の半熟具合によっては調理法を変える必要がある。
  • 料理や盛り付け方によって、固さの合う合わないがある。

 

自分で作って食べる場合にはあまり気にしなくて良かったのですが、自分以外の人が作った場合にもベストな仕上がりになるように考えていくと、意外とこれが難しい。

全ての人が同じ室内環境で、同じ器具を使っているわけではないため、詳しい数値だけ書いても人によって誤差が出てしまいます。

例えば、アルミ製の鍋を使うかステンレスの鍋を使うかだけでも大きく変わってきます。

冷蔵庫から出して水から茹で、火をつけた時点からカウントした場合には2~3分程度の差が出てきます。

(※鶏卵の場合)

 
また、熱の入り方が急なほど、白身と黄身の食感の差が大きくなります。

早く茹で上がれば時短にはなりますが、ゆっくり茹でた場合に比べ、白身が硬くなってしまいます。

 

皆さんは、毎回満足のいく仕上がりになっていますか?

「茹でたら割れて白身が出てきた。」

「思っていたよりもトロトロだった。」

「思っていたよりもカチカチだった。」

「思っていたよりも剝きにくかった。」

「思っていたのと食感が少し違った。」

などなど。

ゆで卵は自分の理想通りにならないことがあるかと思います。
(硬さの好みに幅がある人や、あまりこだわりのない人は気にする機会が少ないと思いますが‥。)

中はサラサラなのに、白身がカチカチで少しゴムっぽいなんてこともあるので、私は少々気になるのです。

ゆで卵を作るレシピも現在は色々なものがあります。

本当に色々あるので、一体どれを参考にするかも迷ってしまいます。

 

例えば‥

  • ヒビや穴を事前にあけるかどうか
  • 水かそれとも熱湯から茹でるのか
  • 入れる水の量はどのくらいか
  • 水に調味料を入れるのかどうか
  • 蓋はするのかしないのか
  • どこから何分何秒茹でるのか
  • 冷やすときは水なのか氷水なのか
  • どのくらいの間冷やすのか
  • どのようにして殻を剝くのか

 

ざっと考えただけでもこれだけあります。厳密に言うともっと多いかも。

「ゆで卵を作る」とは言っても、実は「どんなゆで卵を作るか」によって、作り方を少し変えるべきなんじゃないかと、私は考えるようになりました。

かちっと目指す硬さをレシピで指定して手順を書いても良いのですが、それだと仕上がりが作り手の好みに合わないこともあるため、できればそれはやりたくないのです。

硬さをなるべく指定しないでその分補足説明を加え、できるだけベストなゆで卵が作れるようにしたほうが、料理はもっと美味しくなります。

「卵を茹でて殻を剝く」 という一行で済ませることもできますが、 仕上がり具合によって料理の味が大きく変わってくると感じているため、やはり無視はできないのです。

 

トマトラーメン

出典: 野菜たっぷり! 体も温まる、チャーシュー入りトマトラーメン

カチカチのゆで卵と半熟サラサラのゆで卵は、作り方をどう変えたらいいのか

結論から言うと、半熟サラサラのゆで卵は、白身をしっかり加熱することがポイントになります。

何故白身をしっかり加熱する必要があるかと言うと、殻を綺麗に剝きやすくするためです。ある程度の硬さまで加熱することができれば、殻は綺麗に剝きやすくなります。

 

どうやったら半熟サラサラの状態でも白身を硬くできるのか

上手く作るには卵の温度とお湯の温度がポイントになります。

冷蔵庫で冷やした卵を熱湯に入れて茹でると、中心が固まる温度に達する前に外側の白身がしっかり固まりやすくなります。

 

しかし温度差があるほど卵は割れやすくなります

冷え冷えの卵を熱湯に入れると、優しく入れたとしても殻が割れて白身が流出しやすくなります。

白身が流出すると、流出した分だけサイズが小さくなってしまいます。

そうならないように、冷蔵庫から出したばかりの卵ではなく、あらかじめ常温にもどしておいた卵を使って、リスクを緩和させます。

水の状態から卵を茹でるのであればあまり必要ないですが、 熱湯のときは割れたときに備えて、白身が流出しにくいように塩や酢を入れておく必要性が出てきます。

 
逆に、トロッとした程良い半熟卵や、カチカチのゆで卵を作る場合は、水からでも条件を満たしていれば大抵綺麗に剝けます。

むしろ、水からゆっくり茹でないと白身が少し硬くなってしまう場合もあるので、熱湯から加熱する意味合いが薄い場合は水から茹でるのが無難だと私は考えています。

固茹で卵は、ゴムのような食感ではなく、外側から中心まで全体的にしっとりとしていて、固さに差がない方が美味しいですよね。

(好みもありますが、個人的にはこれが理想だと思っています。)

 

ヒビや穴を事前にあけるかどうか

「卵のとがっている方ではなく、なだらかな方に予め穴を開けておく」という方法です。

穴を開けると茹でている間に水が入り、殻が綺麗に剝きやすくなると言われています。

ただ、同じ条件で穴を開けたものとそうでないものを茹でてみたのですが、綺麗に剥けるときは両方綺麗に剥けるし、だめなときは両方だめなことが多いので、あまり当てにはならないと個人的には考えています。

最初に剝く場所の目印にはなるので、その点で言えば剝きやすさに繋がると思います。

 

蓋はするのかしないのか

水の量を具体的に書かないと理想的な加熱時間に影響が出てきます。

最近ではごく少量の水を加えて蓋をし、蒸し茹でにする方もいらっしゃるようです。

ですが、蓋をしてしまうと中が見えなくなって不安になったり、黄身が偏らないように転がすときも様子が確認しにくくなります。

なので、個人的には卵がかぶるくらいの水位にして、蓋をしない方が良いのではないかと考えています。

ただし、この方法も鍋が大きすぎる場合や大量の卵を茹でる場合は誤差が出てくるかと思います。

ガラス蓋があり、レシピの分量と実際に作る分量が大きく異なる場合には、蓋をして蒸し茹でにした方が良いかもしれません。

 

どこから何分何秒茹でるのか

  • 水と卵を入れて火をつけてからカウントするのか
  • 水と卵を入れて沸騰させてからカウントするのか
  • いきなり熱湯に卵を入れてからカウントするのか

水から茹でる場合は沸騰してからカウントを始めると、作り手のイメージする「沸騰してから」 の解釈によって仕上がりに差が出る可能性が出てきます。

例えばうずらの卵の場合は30秒であっても黄身の固さに差が出てくるので、沸騰してから時間を計ると、思い通りにならない場合が多いです。

そのため、硬さに拘りたい場合や、小さい卵を扱う場合は、なるべくわかりやすい時点からタイマーなどで計測する必要があります。

 

どのくらいの温度で冷やすのか

茹でた後にしめる水の温度は、家庭や季節によって様々だと思います。その差を無くすためには氷水を使用するのが無難で、仕上がり具合も安定しやすくなります。

急冷することによって、白身と黄身の間の黒ずみもできにくくなります。

面倒な場合は茹でていた鍋の熱湯だけを捨て、流水を常に入れる方法で冷やしても良いのですが、とろっとした半熟ゆで卵ほど氷水の方が殻剥きがしやすくなります。

鍋の材質によっては急冷することで傷む場合もあるので、その点でも氷水の方が無難。

芯まで急激に冷やすことで余熱による加熱の進行が止まり、白身が締まって殻が剥きやすくなります。

小さな卵の場合は特に、あっという間に余熱で火が通ってしまうので、急冷することが大事です。

 

どのようにして殻を剝くのか

小さかったり、中心が軟らかい卵ほど扱いがデリケートになります。

綺麗に剥けるときは剥けますし、駄目なときはだいたい駄目ですが、水中で剥くと比較的綺麗に剥くことができます。水中の方が剝いた殻も下に落ちていくので作業もしやすくなります。

平らな面に優しく殻をぶつけて全体的にヒビを入れ、指で押したときにぺこっと凹む部分から剥いていくとやりやすいです。

 

同じ種類の卵を同じ時間茹でているのに、綺麗に剥けるときと剥けないときがあるのは何故か

水から中火で10分茹でた同じ半熟具合の卵が、綺麗に剥けたときと明らかに綺麗に剥けなかった場合が過去にあって、その理由が卵の鮮度の差にあるのではないかと、最近気が付きました。

固茹でであれば両方綺麗に剥けることが多いですが、半熟サラサラの卵では少し差が出てくるのです。

皆さんも賞味期限間近の卵を茹でたときに、剝きやすかった経験はありませんか?

逆に新鮮な卵をゆで卵にしてみたら綺麗に剝けなかった経験はないでしょうか?

古い方が冷蔵庫で水分が適度に抜けて、空洞ができやすくなっているのでは?というのが私の推測です。

真相はわかりませんが、やはり何かあるような気がしてならないのです。

 

ラーメン4文字

画像: なめっこ星人流 醤油ラーメン

 

ゆで卵は奥が深いですよね。

ちなみに、以前作った上の写真の煮卵は、訳あって固めに茹でています。

自分の好みもありますが、食べる人に合わせて作ることも大切です。

あとは、料理との相性を考えて決めることも大切。

 

具体的に書くと‥

◆サラサラ半熟卵またはトロトロ半熟卵がよく合う料理

(黄身が流れても全部食べやすい、または卵単体で具として楽しむ料理)
ハンバーグ、牛丼、ロコモコ、シーザーサラダ、カレー、納豆 etc

 

◆固めのゆで卵がよく合う料理

(ゆで卵のホクホクした食感やプリプリした食感がよく合う料理)
おでん、モツ煮、卵サンド、タルタルソース etc

うちではこうじゃないぞ!なんて意見もあるかと思いますが、だいたいこんな感じですよね。

食べる人の好みで作るのも大切ですが、どんな料理に使いたいかで好みとは違ったゆで卵にするのも大切なことだと、個人的には思っています。

 

あとは、そうだな~。。

ラーメンの味玉はトロトロ半熟にするか、固ゆでにするか

濃い調味液に長時間漬けると、卵の白身は硬く締まってしまいます。

弾力があって好きな人もいると思いますが、あまり好きではない人もいると思います。

私は適度な軟らかさがある煮卵が好きなので、水から茹でて濃い調味液に長く漬けないことが多いです。

黄身は半熟の部分もあるけれど、白身とあまり食感の差が出ないように茹でて、少し薄味の調味液に漬けて作るのが好きです。漬けないで断面に粗塩を振って食べるのも好きですね。

(流れ出るくらい黄身が生っぽいのに、白身は硬くて味が濃いなんていう煮卵は、どうも苦手です;)

 

作り手の好みが違う。

作る環境も違う。

食べ方も違う。

食べる人も違う。

 

ゆで卵 されど ゆで卵

 

次は、詳しい実験と結論

2へ続きます ↓

 


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