花より団子。だけど、団子より花(後編)

 

 

‥というわけで、前編に続き後編です☆

 

お弁当持参で、早速行ってきました。

 

 

写真も沢山撮ってきたので、印象に残ったものを一部貼ろうかな。

トップの写真はちょっと珍しいピンク色の桜で、深緑色の葉と色の調和が良く、非常に綺麗でした。

薄曇りの空に揺れる、逆光の桜の花びら。。

 

 

 

 

2015お花見01文字

 

桜に限らず、樹の美しさは幹や枝にもあると私は思います。滑らかに勢いよく広がる幹や枝にもつい魅せられてしまいます。細かい切り絵や毛細血管の広がりを透かして見ているような、不思議な感覚になります。緻密な線と太い幹の線のメリハリも心地良い。

 

 

2015お花見02文字

 

これは確か桜ではない樹だったのだけれど、この樹も面白い形をしていました。意図的に手入れが入った結果の樹形だとは思いますが、今にも動き出しそうな感じがします。お化け屋敷にこんな樹が沢山あったら、雰囲気が出そう。。何となくホラー‥。

 

 

2015お花見04文字

 

樹は遠くから見るのも良いけれど、近寄って見るのもまた面白いものです。あちこち歩いていたら、面白い樹がありました。これも名前の分からない樹の幹ですが、表面のテクスチャーが独特で面白い。同じような種類の樹でも場所や日当たりの条件などが異なると、少し違った印象に見える気がします。ウズラの卵の模様が1つ1つ違うように、樹も1本1本厳密に言うと違うのかもしれません。

 

 

2015お花見5文字

 

今の時期は新芽が出ていたり実をつけた植物も多く、一見地味な植物にも目を惹かれます。鮮やかな紅い実をつけたこの植物も、その1つ。少しグロテスクな見た目と、微妙に動き出しそうな感じが非常に魅力的でした。

 

 

 

‥‥‥。

 

 

そう言えば、何を撮っていたんだっけ‥。

 

 

 

‥‥‥。

 

 

‥‥そうそう、桜です桜!(笑)

 

桜を撮影していたのに、他の植物に気を取られていて一瞬忘れていました‥。

 

 

 

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桜も綺麗ですよ。とっても。

 

でも、日中は見ていてどこか少し物足りない感じがしていたんです。

 

 

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ところが。

 

歩き回っている間に日が傾いてきて、桜の印象に少し変化が出てきました‥。

日の当たり方が変わり、花にボリュームが感じられます。

地面の影が桜の枝の色を取り込み、花びらの色を引き立てます。

 

 

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ふわりと浮かんだ雲のような桜の花。

 

日がさらに落ちて、周囲の空間が非常に心地良く感じられます。実際は外国人だらけの花見客でガヤガヤと賑わっていたわけですが、それも一瞬忘れるくらいの美しさでした。上に写っている逆光の花びらの輪郭も、何とも言えないですね。

 

 

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泡のように密集し、咲き乱れる桜の花々。

 

太陽の光が一瞬隙間から差し込んだときの花びらの美しさに、私は思わず心を奪われてしまいます。開いた花びらも、まだつぼみのままの花びらも光に透けて、光の当たらない暗い場所と当たる場所の明暗の差に、力強さや奥ゆかしさ、儚さを感じます。順光で見る桜も良いのですが、影の部分が少ない桜は、やはりどこか見ていて物足りない気がしてしまいます。この時間帯の桜を見ていて、明るい時間帯に惹かれなかった理由がなんとなくわかってきました。

 

影の部分には比較的ネガティブな印象が込められる場合が多いのに、不思議ですよね。私は光を引き立たせるために、あえて影の部分もカメラのフレームに納めたくなってしまいます。綺麗なだけでは終わらない、咲いた直後に音も無く散っていく桜の花びらに、もしかしたら自分の複雑な内面や気持ちなども、自然に重なってしまうのかもしれません。

 

 

 

いつかは必ず散って、土に還る。

 

いつかは土に還るからこそ、美しく見えるその一瞬に目が離せない。

 

 

 

 

食べ終わったランチボックスを運びながら、昨日は色々なことを考えていました。

 

来年の桜はまた少し違って見えるとは思いますが、やはり色々な意味で良いものですね。・w・